スプレッドの種類には固定・変動がある
FX会社のスプレッドとは売値と買値の価格差のことで、手数料無料のFX会社にとっての収入源となります。
このFX会社のスプレッドは銀行で為替取引する場合よりも非常に安くなっています。
FX会社のスプレッドには、固定と変動という2種類がありますが、固定の場合には原則固定というタイプになり、原則としては固定のスプレッドを提供するが、流動性などの要因によっては変動することもあるというものです。
変動制スプレッドの場合には、常に変動する可能性のあるもので、特に流動性の低い時間帯にはスプレッドが広くなる可能性もあります。
このように、2種類のスプレッドが提供されていますが、FXトレードではスプレッドを把握しておくことが重要ですので、現状では原則固定スプレッドで取引しているトレーダーが多くいます。
その例として、スキャンピングを多用するトレーダー向けにECN口座と呼ばれるスプレッドが非常に狭い口座がありますが、取引毎に手数料を支払う必要がありますので、自分のトレードスタイルに合った口座を利用することが重要です。
スプレッドが変動する理由
FXのスプレッドとは、売買が活発な状態の時ほど狭くなる傾向にあり、逆に、取引が少ないとき(流動性が低い時間帯)や極端に相場が変動している際(経済指標発表時)には広がりやすくなります。
これは、FX会社のスプレッドが実際にはインターバンク間でトレードされている現実のレートを参考にしているためです。
多くのトレーダーが利用している原則固定スプレッドでも以下のケースでは変動しやすくなりますので注意が必要となります。
重要経済指標発表のタイミング
スプレッドが変動するタイミングにはいくつかのパターンがありますが、最も多いのが重要経済指標発表時で、特に、米国雇用統計時の発表のタイミングではスプレッドが大きく変動します。
世界中のトレーダーが注目している指標の発表時には、トレードチャンスとなるため、極端に売買が増え、レートが大きく動く傾向にあります。
さらにトレーダーにとってもチャンスですが、FX会社にとっても手数料が稼げるチャンスであることは言うまでもありません。
トレーダーとしては、トレードチャンスではあるものの、スプレッドが普段のトレードと比較すると極端に大きくなりますので売買のタイミングには十分な注意が必要です。
流動性が低い時間帯
流動性が低い時間帯、つまり、トレードが少なくなる時間帯もスプレッドが広がりやすくなります。
特に、週初のオセアニア市場の時間帯は、トレードが少なくなるため他の時間帯と比較するとスプレッドが広くなります。
変動制スプレッドが採用されているケースでは、特にこのタイミングでは広がるので注意しましょう。
FX会社によってスプレッドは異なる
FXトレードとは、株式市場のように同一市場で銘柄を取引するのではなく、複数の市場(ニューヨーク・ロンドン・東京・オセアニア)での為替相場となるため、1本値というものは存在せずインターバンク間でもスプレッドが存在しています。
簡単に説明すると、マーケットメーカー(銀行)がポジションテイカー(銀行など)に対してビットとオファーを提供しますが、注文を受けてからさばくまでに一定の時間がかかることになります。
この時間は、マーケットメーカーにとってはレート変動というリスクを抱えることになりますので、このリスクを和らげるためにある程度の価格差を設けるようにしており、この価格差がスプレッドとなっているのです。
従って、FX会社が多くのカバー先から提供を受けるレートによってスプレッドは異なっており、FX会社は各社の独自の判断基準においてスプレッドが決定されることになります。
もちろん、スプレッドはFX会社の重要な収益源でもありますので、FX会社の経営上の思惑も含まれて最終的なスプレッドが決まりますので、FX会社ごとにスプレッドは異なることになるのです。
ただし、それではスプレッドが狭ければよいかというと、必ずしもスプレッドだけではなく、自分が意図したタイミングで約定される約定力も併せて判断する必要があります。